2月「Social Good Circle」開催のお知らせ

記事を読まれる前に「Social Good Circle」の申し込みをされたい方は、下記ボタンよりお願いします。


こんにちは。Social Good Circleの共同運営者をしている平畑です。

1月31日、3ヶ月ぶりにSocial Good Circleでしたが、計8名の参加者で開催しました。久しぶりの開催だったにも関わらず、「楽しみにしていました」とか「久しぶりに語り合えてよかった」など、運営者としてとても嬉しい言葉をいただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。

今回もディープな語り合いとなりました。毎回深い。なぜそのような深い場所へみんなで潜ることができるのだろうと考えた一つの答えが、「心理的安全性が担保されているから」だろうと思っています。Social Good Circleは、「否定も助言もしない。解決もしない。ただただ目の前の語りをありのまま訊いて、自分が思ったこと・感じたことを伝える」というコンセプト。上から目線で説法されるわけでもなく、自身の実践や思考を否定されるわけでもない。Social Good Circleでは「心理面が脅かされることはないんだ」と語り合いの前に丁寧に説明をさせてもらうことで、誰もが安心して語れる準備を行います。

そのような準備を怠ることなく続けてきた結果、毎回、ディープな語り合いが生まれるのだと、2年間実践してきて感じたことです。…そうそう、Social Good Circleは2024年12月で2周年を迎えました。ここにも感謝しかないのですが、僕一人では到底続けられるものではありませんでした。飽き性の僕は、ないものを「1」にすることは好きで得意なほうですが、「1」を10にしたり100にしたりする継続性が求められることは苦手。しかし今まではそこで諦めていたことも、40歳過ぎると「得意な人、引っ張ってくれる人、気づかせてくれる人」と共に、良い意味で他者に乗っかりながら、自分の不得意なことも乗り越えられる術を身につけるようになりました。別の言い方をすると「仲間をつくる」でしょうか。不得意なことも補うことで、自分たちが求めているところへ近づけるような気がします。そのためには、自分の不得意なこと(弱み)を自己覚知しておく必要もあります。Social Good Circleもまさにそうで、共同運営者の久保田さんがいるからこそSocial Good Circleが完成しますし、僕ができないところを久保田さんが補ってくれるからこそSocial Good Circleを続けられるのだと、2周年を迎えるにあたり改めて感じたところです。

Social Good Circleは対話から気づきを得ることを醍醐味としていますが、Social Good Circleの運営においても同じことが言えます。僕はどうしても堅苦しい言葉や表現を使おうとしがちですが、久保田さんが上手に砕いてくれる。それは信頼関係が構築されているから成せることでもありますが、互いに尊重し合って対話を重んじているから、2年も続いているのだと思います。これは職場でもプライベートでも一緒なのではないかと。結局のところ、他者のことを全て理解することはできないですが、対話をすることで断片的にでも理解しようとする。理解の幅が広がれば相手の合理性も理解でき、対話の質は高まっていきます。そして相手から指摘や助言や自分とは異なる意見を言われたときも、対立ではなく対話で解決を試みることができます。

先日、某行政機関で勤務する社会福祉士向けの研修を開催しましたが、その時の対話の場で「私の部署では1日20件訪問、という隠れたノルマがあります。でも社会福祉士として雑談の中から本人の困っていることや苦しいことを聞く場面がある。そういうのを無視して面談に行くのは、社会福祉士としての価値を否定されているようです。お互い人間なのに…」という、悲痛の声を訊きました。正直、僕は次に発する言葉を失いました。「雑談」が職業的倫理にとって好意的に受け止めてくれるかは議論の余地がありそうですが、人が発する声に意味がないとは思えません。声を言語化しなければならないという考え方は偏った意見ですし、実に合理的で生産的主義に飛び出た思考だと僕は思います。とはいえ、現代社会は効率性を重んじられ、短時間のうちにいかに生産性を高められるかが社会的評価につながる場面が散見されます。違和感を抱きます…。前項の行政機関内でも一般事務職と社会福祉士はほぼ同等の仕事を行い、ある同僚からは「社会福祉士じゃなくてもいいのではないか」と言われた社会福祉士もいました。

果たして社会福祉士はそれでいいのでしょうか。いや、社会福祉士だけではなく、相談援助職を生業としている専門職として、効率性・生産性を高めることに同調することは、支援を必要としている人たちにも、知らず知らずのうちに社会が求める歪んだ規範を押し付けていることだって考えられます。そのような思考に陥らないためにも「対話」は必要ですし、声に意味を求めなくてもいいのではないかと思うわけです。

意味にならない感覚、思い、それ以前の名状し難い「こと」を音として響かせたい。そうした原始的な欲求があるはずだ。だから口にした言葉に意味だけを見出そうとする限り、決して相手が話に託した思いや感覚に近づけないだろう。

上記は、尹雄大の『聞くこと、話すこと。人が本当のことを口にするとき』から引用しました。僕の好きな言葉です。意思表明が難しい支援を必要としている人に対して、本人の「言葉」をそのまま抜き出し、それが本人の意思として意味を持たせることは難しい。言葉以外に感覚的に発している行動や表情も五感を使って訊くことが必要だと思います。「原始的な欲求」はわがままでも自分勝手でもなく、その人が本来歩んできた人生を表していることかもしれない。対話とは、単に言葉と言葉のやり取りではなく、もっと感覚的な「音」同士の奏で合いなのかもしれないな、と最近考えることがあります。

前回のSocial Good Circleでは、ソーシャルワーカーとして、人との関係構築の難しさをめぐって深い対話が展開されました。参加された皆さんからは、雑談や関係づくりに苦手意識を持つ経験を共有しました。でも雑談をすることの大切さも共有できた回でした。関係構築における「支援される側」としての視点の重要性を確認し、個人の多面性について言及する参加者も。対話を通じて、専門職としての関係構築の在り方、自己理解の重要性、そして支援者としての成長過程について、参加者全員で深い気づきを共有することができたと思います。

人それぞれ気づきを得る箇所もタイミングも違いますが、他者の語りをじっくり訊くことで「共感」と「差異」を感じられます。特に差異についてはモヤモヤすることもありますが、だからこそ「私はこう感じた」というフィードバックを対話の中で伝えてもらえれば嬉しいです。そうすることで、また新たな気づきの泡が生まれますし、その泡は対話中に深く潜るための酸素の役割も担っているからです。一緒に対話の海へ潜りませんか。申し込みをお待ちしています。

Social Good Circle 開催詳細

Social Good Circleには多くの方が参加しやすいように、オンライン開催としています。仕事から帰ってきてひと段落した時間帯にすることで、ゆったりと語り合えるようにしています。以下、開催詳細をご覧ください。

開催日

  • 2025年2月21日(金)20:00〜21:30

参加方法

  • オンライン(zoom使用)

    申し込み後に招待URLを送らせていただきます。

参加費

  • 無料

    気軽に参加できるよう参加費はいただいておりませんが、今後対面で開催することも検討しています。
    その際は参加費を頂戴する場合がありますのでご容赦ください。

申込方法

下記の「申し込みフォーム」と書かれているボタンをクリックすると、申し込むフォームへ移動します。
必要項目を入力していただき、送信後、開催に関するメールが届きます。

申し込み後、zoomのURLや招待状が届きます。入力されるメールアドレスが間違っていると、返信メールが届かない場合がありますのでお気をつけください。返信メールが届かない場合は、お問い合わせよりご連絡くださいませ。

申込手順

STEP
申し込みフォームを入力
STEP
申し込み後、zoomのURLや招待状が届く
STEP
当日、zoomのURLから入室

まずは申し込みフォームの入力をお願いします。ご不明な点があれば、お問い合わせからご連絡ください。

Social Good Circleとは

Social Good Circleは「支援者のモヤモヤをダイアローグする場」としています。よって、参加者同士の上下関係もなく、全てがフラットです。日々の実践や人間関係など、モヤモヤしていることを語っていただき、聞く側は助言も否定もせず、ただただ訊くことに徹します。

もちろん訊いた後に、自らのモヤモヤを語っていただくことも大歓迎です。「今更こんなことは職場で話せない」や「誰か私のモヤモヤを訊いてほしい」など、Social Good Circleにおいては気楽に語っていただける空間になっています。

参考記事

Social Good Circleが誕生した背景や、Social Good Circleの詳しい説明は下記の記事をご覧ください。

【ご提案】職場でSocial Good Circle開催のお手伝い

Social Good Circleは「否定せず、助言せず、解決もしない」語らいの場として開催しています。このコンセプトは一見すると、対人援助の場面では否定的な意見を浴びるかもしれません。なぜなら「モヤモヤ=困っていること」と捉えることで、「職員が困っていることを、上司及び同僚同士で解決しなければならない」との思考に対して、真逆の発想でSocial Good Circleを開催しているからです。

僕は決して、「解決しなければならない」とする思考や行動を否定したいわけではありません。必要に応じて解決を優先する場合もあると理解しています。しかし解決を優先するがあまり、モヤモヤを抱えている職員が本当に困っていることを語れるかは疑問が残るところです。このように考えるには過去の記憶が起因しています。

僕は約6年間、病院のソーシャルワーカーとして働いていました。普段の業務とは別に個々のスキル向上やいわゆる「困難事例」に対する次の一手を模索するため、定期的に事例検討会をソーシャルワーカー同士で開催していました。いま振り返ると事例検討会は、ギリシャのコロッセオを彷彿とさせる思いで参加していたように思えます。要するに「戦いに挑む」という表現がわかりやすいでしょうか。雰囲気も戦々恐々としており、ミスを説明しようもんなら鬼の首を取ったような勢いで「なぜそうしたのか?」と問い詰められる。最初は初任者として「学ばせていただく」という気持ちで挑んでいましたが、やがて心身ともに疲弊していく自分を自覚しました。心の余裕がなくなるので、ちょっとした指摘も癇に障りますし、自らも「指摘返し」のような、一種の報復に似たような振る舞いをしていたときもありました。このような状態になると事例検討会ではなく、ただの「足の引っ張りあい」です。その場では本音を誰も話さなくなっていました。恐怖と保身でしかないからです。

そんな過去を振り返って思うことがあります。

心理的安全性が担保された空間でなければ、人は自らのモヤモヤを決して語りはしない

自らが悩んでいること、困っていること、こんなことを話して大丈夫?と思っていることも、否定されないとわかっていると人は安全性を感じるとることができ、スーと話し始めます。「どうしたの?」「それで?」と急く必要はありません。Social Good Circleは「否定せず、助言せず」をモットーに開催しています。最初から参加者へ伝えることで、参加者同士の「ここは安全だ」という雰囲気が醸成されます。

Social Good Circleでは、実に多様性豊かなモヤモヤを訊くことができます。そしてモヤモヤの深堀りは、ソーシャルワーカーのアイデンティティを取り戻すことにもつながります。事例検討会のように追求型のスーパービジョンは、支援者が育たないどころかパワーレスに陥り、終いには退職することも考えられます。そうではなく、じっくりとその人のモヤモヤした語りを訊き、参加者同士でフィードバックすることで、モヤモヤを語った人は「私の話を訊いてくれた」「受け入れてくれた」とカタルシスを得ることになります。普段、支援者として支援対象者の話を聞くことには慣れていますが、自分の話を訊いてもらうことには慣れていない支援者が多いのが現状です。Social Good Circleはこのような「支援者の語りを訊く」ことを実践することで、先にも述べたとおり、ソーシャルワーカーのアイデンティティを取り戻す(エンパワーメントの促進)へつながります。

とはいえ、Social Good Circleを職場でやろうとすると、導入・進行・まとめといった一連の流れを、誰がどのようにするのか悩むことが考えられます。悩むうちにズルズルと流れていくことはよくある話です。そこでご提案です。

職場でSocial Good Circleが定着するまで、もしくは体験として実施する、お手伝いをさせていただきます

Social Good Circleを実際に運営している者が、ファシリテーターや運営面をサポートすることで、簡単にSocial Good Circleを職場で開催することができます。もちろん職場の目的や規模等に応じて、運営側が関わる濃淡を調整することも可能です。まずは下記の「お問い合わせフォーム」より、ご相談いただければと思います。

お問い合わせ確認後、運営側よりご連絡させていただきます。この「Social Good Circle」が支援者のエンパワーメントにつながること、そして多くの支援者が自分語りをすることで、一人で抱え込まなずパワーレスに陥らない環境を構築できることを願っています。長くなりましたが、ご興味がありましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。

応援してもらえると嬉しいです!

この記事を書いた人

平畑隆寛のアバター 平畑隆寛 ヒラハタタカヒロ

社会福祉士事務所 FLAT代表。アパレルバイヤーから社会福祉士へジョブチェンジした風来坊を自認。普段は成年後見受任や研修講師のほか、Webライターとしても活動している。月1回開催の、相談援助職が安心してモヤモヤを語れる場「Social Good Circle」を運営し、支援者のバーンアウト予防にも取り組む。「The Salon Times」では、記者+ライター+編集長の役割。

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