記事を読まれる前に「Social Good Circle」の申し込みをされたい方は、下記ボタンよりお願いします。
こんにちは。Social Good Circleの共同運営者をしている平畑です。
昨年9月の開催から随分と時間が経ってしまいました。開催を見合わせていた約3ヶ月間。「今月は開催しないのでしょうか?」といったメッセージを直接いただいたり、Social Good Circleを気にかけていただくような声を、間接的に耳にしたりしました。そのような声を聞くたびに、2023年12月から久保田さんと二人三脚で開催してきたSocial Good Circleが、少しずつですが、皆さんの意識の中に芽吹いているのかなと思うと、とても嬉しい気持ちになりました。
開催を見合わせていた理由ですが、これと言って特になく、ただ以前から久保田さんと共有していることは「無理をしない」ということ。「毎月必ず開催しないと!」と自らに課題を設定することで、Social Good Circleが「義務的な扱い」になることを恐れてます。主に対人援助職の皆さんと語り合うことは、決して「義務的な行為」ではないはず。モヤモヤを抱えているから、Social Good Circleで語り合わないといけない、という縛りも抑圧も誰からも受ける必要はありません。参加される方々は、自らの意思で、語り合おうとか、他者の語りを訊きたいなどの、自発的な動機のもと参加されていると思います。だから主催者としても義務的に開催するのではなく、「心の余白」があるときに皆さんと語り合いたいと思っています。
この「心の余白」についてですが、語り合う上でとても大事な要素だと感じています。何かに追われていたり、押し付けられたりしてる状態では、自らが語りたい内容が言えなくなる場合があります。これは僕の経験ですが、フラットな関係性の会議の場で多様な意見交換ができていた中、次の予定を意識したり緊急対応が必要な電話があると、妙にソワソワして、無意識に会議を終わらせようとする発言をしていたことがありました。後になって考えたのは、語り合うことは「環境による影響を受けやすい」ということ。良い面も悪い面も「個人と環境の相互作用」なのだと、語り合いを通じて認識しました。
また、語り以上に「訊く」ことは、Social Good Circleの中で特に大切にしています。「訊く」ことは、他者の語りを聞いて、自分も語って、さらにお尋ねしながら、また訊く。この行為は語りの循環が生まれていることだと思うのです。その「訊く」上で、「待つ」は重要はポイントになります。
哲学だけでなく、わたしたちは常に喋りすぎている。日常で、会議で、SNSの中で。じっくりと聞くのではなく、何か「いいこと」を話さないといけないというオブセッションに急かされて、夢中で口を動かしつづけている。沈黙がこわい。よどみ、停滞がおそろしい。議論での沈黙は、その場への不参加だと思われる。真っ白な画面に、めちゃくちゃに文字を打ち込むように、急き立てられて話しつづける。もっといいことを、もっと意義深いことを。もっとひとを動かし、もっと尊敬され、もっと「ここにいていい人間だ」と思ってもらえるようなことを。
ー永井玲衣『水中の哲学者たち』より引用ー
永井さんの「待つ」ことへの問いは、ハッとさせられたし、同時に自分の行動を振り返りもしました。「待てない理由や環境はなんなんだろう」と。上の引用文はすごく僕に当てはまりましたし、同じ思い、気づきを抱いた方もいるかもしれません。意図的に「待たない」のではなく、「待てない」理由がある。だから待たないのではないけど、ここの意識に自覚的になる必要があるかと思いました。
Social Good Circleでは、「待つ」ことが多い場でもあります。多々、沈黙します。他者の語りが自分の中に落とし込めずに、放心しているような顔を見せることだってあります。それでもその場で語り合うことは、語る人の感情や価値観のうねりに身を任せ、自身もうねりの中へと入っていく。「待つ」ことをしながら、身を委ね、一緒に漂えるから安心して語りを再開することができる空間だと思います。
そんなSocial Good Circleに参加してみませんか。興味がある方は、お気軽にお申し込みください。
Social Good Circle 開催詳細
Social Good Circleには多くの方が参加しやすいように、オンライン開催としています。仕事から帰ってきてひと段落した時間帯にすることで、ゆったりと語り合えるようにしています。以下、開催詳細をご覧ください。
開催日
- 2025年1月31日(金)20:00〜21:30
参加方法
- オンライン(zoom使用)
申し込み後に招待URLを送らせていただきます。
参加費
- 無料
気軽に参加できるよう参加費はいただいておりませんが、今後対面で開催することも検討しています。
その際は参加費を頂戴する場合がありますのでご容赦ください。
申込方法
下記の「申し込みフォーム」と書かれているボタンをクリックすると、申し込むフォームへ移動します。
必要項目を入力していただき、送信後、開催に関するメールが届きます。
申込手順
まずは申し込みフォームの入力をお願いします。ご不明な点があれば、お問い合わせからご連絡ください。
Social Good Circleとは
Social Good Circleは「支援者のモヤモヤをダイアローグする場」としています。よって、参加者同士の上下関係もなく、全てがフラットです。日々の実践や人間関係など、モヤモヤしていることを語っていただき、聞く側は助言も否定もせず、ただただ訊くことに徹します。
もちろん訊いた後に、自らのモヤモヤを語っていただくことも大歓迎です。「今更こんなことは職場で話せない」や「誰か私のモヤモヤを訊いてほしい」など、Social Good Circleにおいては気楽に語っていただける空間になっています。
参考記事
Social Good Circleが誕生した背景や、Social Good Circleの詳しい説明は下記の記事をご覧ください。
【ご提案】職場でSocial Good Circle開催のお手伝い
Social Good Circleは「否定せず、助言せず、解決もしない」語らいの場として開催しています。このコンセプトは一見すると、対人援助の場面では否定的な意見を浴びるかもしれません。なぜなら「モヤモヤ=困っていること」と捉えることで、「職員が困っていることを、上司及び同僚同士で解決しなければならない」との思考に対して、真逆の発想でSocial Good Circleを開催しているからです。
僕は決して、「解決しなければならない」とする思考や行動を否定したいわけではありません。必要に応じて解決を優先する場合もあると理解しています。しかし解決を優先するがあまり、モヤモヤを抱えている職員が本当に困っていることを語れるかは疑問が残るところです。このように考えるには過去の記憶が起因しています。
僕は約6年間、病院のソーシャルワーカーとして働いていました。普段の業務とは別に個々のスキル向上やいわゆる「困難事例」に対する次の一手を模索するため、定期的に事例検討会をソーシャルワーカー同士で開催していました。いま振り返ると事例検討会は、ギリシャのコロッセオを彷彿とさせる思いで参加していたように思えます。要するに「戦いに挑む」という表現がわかりやすいでしょうか。雰囲気も戦々恐々としており、ミスを説明しようもんなら鬼の首を取ったような勢いで「なぜそうしたのか?」と問い詰められる。最初は初任者として「学ばせていただく」という気持ちで挑んでいましたが、やがて心身ともに疲弊していく自分を自覚しました。心の余裕がなくなるので、ちょっとした指摘も癇に障りますし、自らも「指摘返し」のような、一種の報復に似たような振る舞いをしていたときもありました。このような状態になると事例検討会ではなく、ただの「足の引っ張りあい」です。その場では本音を誰も話さなくなっていました。恐怖と保身でしかないからです。
そんな過去を振り返って思うことがあります。
心理的安全性が担保された空間でなければ、人は自らのモヤモヤを決して語りはしない
自らが悩んでいること、困っていること、こんなことを話して大丈夫?と思っていることも、否定されないとわかっていると人は安全性を感じるとることができ、スーと話し始めます。「どうしたの?」「それで?」と急く必要はありません。Social Good Circleは「否定せず、助言せず」をモットーに開催しています。最初から参加者へ伝えることで、参加者同士の「ここは安全だ」という雰囲気が醸成されます。
Social Good Circleでは、実に多様性豊かなモヤモヤを訊くことができます。そしてモヤモヤの深堀りは、ソーシャルワーカーのアイデンティティを取り戻すことにもつながります。事例検討会のように追求型のスーパービジョンは、支援者が育たないどころかパワーレスに陥り、終いには退職することも考えられます。そうではなく、じっくりとその人のモヤモヤした語りを訊き、参加者同士でフィードバックすることで、モヤモヤを語った人は「私の話を訊いてくれた」「受け入れてくれた」とカタルシスを得ることになります。普段、支援者として支援対象者の話を聞くことには慣れていますが、自分の話を訊いてもらうことには慣れていない支援者が多いのが現状です。Social Good Circleはこのような「支援者の語りを訊く」ことを実践することで、先にも述べたとおり、ソーシャルワーカーのアイデンティティを取り戻す(エンパワーメントの促進)へつながります。
とはいえ、Social Good Circleを職場でやろうとすると、導入・進行・まとめといった一連の流れを、誰がどのようにするのか悩むことが考えられます。悩むうちにズルズルと流れていくことはよくある話です。そこでご提案です。
職場でSocial Good Circleが定着するまで、もしくは体験として実施する、お手伝いをさせていただきます
Social Good Circleを実際に運営している者が、ファシリテーターや運営面をサポートすることで、簡単にSocial Good Circleを職場で開催することができます。もちろん職場の目的や規模等に応じて、運営側が関わる濃淡を調整することも可能です。まずは下記の「お問い合わせフォーム」より、ご相談いただければと思います。
お問い合わせ確認後、運営側よりご連絡させていただきます。この「Social Good Circle」が支援者のエンパワーメントにつながること、そして多くの支援者が自分語りをすることで、一人で抱え込まなずパワーレスに陥らない環境を構築できることを願っています。長くなりましたが、ご興味がありましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。
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