【Social Good Circle:案内】個人から開かれた社会への転換──他者の合理性の理解から始める支援者の姿勢

こんにちは。Social Good Circleの共同運営者をしている平畑です。

あっという間に2026年が明け、慌ただしく過ごしていると、もう2月に入ろうとしています。まだまだ寒さが厳しい中、皆さんはいかがお過ごでしょうか。

さて、今回は「個人から開かれた社会への転換」というテーマで、自己対話していきたいと思います。このテーマにした背景として、昨年10月から大学院の授業に参加させてもらい、福祉を社会学的視点で考察していくことを学びました。主に「障害学」を起点とした反転授業は、さまざまな文献の構造性を理解することに加え、他の院生の解釈やコメントによって、自身が今まで捉えていた障害福祉に対する理解に、さらに肉付けされるような感覚となり、同時に福祉的課題を抱える社会構造という、もっと俯瞰した視点で社会を捉える目が養えたように思えます。

今回のブログでは、先に「福祉的課題を抱える社会構造とは何か」を書き出してみて、僕が経験した支援現場にもフォーカスしながら、「他者の合理性の理解」を念頭においた支援者の姿勢について考えてみたいと思います。

先に「Social Good Circle」の申し込みをされたい方は、下記リンクよりお願いします。

福祉的課題を抱える社会構造とは

昨年10月から大学院の授業に参加させてもらい、これまで、福祉社会学、障害学、ケア論、当事者研究などの複数の文献要約を行ってきたことで、現代社会において繰り返し生じている福祉的な課題は、個人の問題として規範化され、内面化されている社会構造にあるのではないかと理解できる。

私が読んだ文献で共通しているキーワードとして、「自己責任」や「能力主義」が挙げられ、同時に問題を個人化することへの批判も多く見られた。個人化が先鋭することで、「できる・できない」「役に立つ・立たない」といった二元論的な評価が下され、個人による不利益が正当化される。それは、優生思想のような「差異の否定」へとつながる社会が形成されるといった、危険性を孕んでいる。

このような自己責任論には「医学モデル」が基底している。「正常性」や「数値化」によって、客観的評価がいかにも中立的で合理的な評価として、さらに経済的合理性として受け取られがちだが、それらの社会的価値意識が、生産性が乏しいとみなされる人々を切り捨て、差別や排除を拡大してきた事実もあり、現在進行形でもあるだろう。教育現場での序列化、医療や福祉現場での専門家主義についても、「医学モデル」によって存在そのものを否定される場合がある。

このような社会構造は、障害者や高齢者などの「福祉を必要としている人」に限らず、誰もが排除されうる社会状況を生み出してもいる。私たちは、環境や社会的条件によって、容易に「生きていくのがしんどい」と感じてしまう社会で生活していることを、もっと自覚する必要があるし、そこに声を挙げることや行動することが必要なのではないかと、今回授業に参加することで、内的に問題提起したところである。

支援者としての実践の前に、合理性の理解が大事であるということ

支援者として仕事をしていると、さまざまな相談が舞い込んでくる。「身寄りがおらず認知機能が低下しており、通販サイトから多数購入している様子」とか、「同居している娘が幻聴が聞こえるみたいで、関係機関と意思疎通が図れない」など。このような相談を問題として捉え、「即解決」の視点で関わってしまう支援者は、案外多いように思う。私も組織に属していたとき(特に医療機関に所属していたとき)は、「解決こそ成果≒評価」と思い込み、ソーシャルワークに関する知識や技術の習得、制度やサービスの引き出しの多さを軸に相談対応していた。なんともお恥ずかしい限り・・・。

そのような、他者の合理性の理解を省くと、一見解決したかに見える相談が、間髪入れずぶり返したり大きな問題となって押し寄せてくる。それらを「イタチごっこ」や「病気のせい」といって、問題を個人に責任転嫁し、支援を必要としている人の背景や語りを聴こうともしない姿勢は、ソーシャルワークとは言えないと思うし、そう感じてほしいとの願いもある。

今回、福祉的課題を抱える社会構造を理解する過程を通して、支援者としての均質性や正常性の押し付けは、あくまで支援者の自己満足にすぎないのではないかと問いたい。そのような問いから転換される考えとして、支援を必要としている人の「真のニーズ」の理解は、背景や経験といった語りを聴くことなんだと改めて認識できた。そうやって丁寧に向き合って聴いていくことで、冒頭の「通販サイト」の方は、「ラジオを聞いていると私に語りかけてくれているようで、いつも寂しいからつい買ってあげないとと思ってしまう」との内面の語りを聴いたり、「幻聴」の方は、「母の介護がきつくて、でも自分でやらないといけないと思って、母を一人残して病院には行けなかった」と打ち明けてくれたりする。

そのように内なる語りを聴くと、おのずと支援方針が変わってくる。それが支援者としての実践をする前に、合理性の理解が大事であることなんだと、感じる。これは支援者支援でも同様で、支援者自身が孤独で誰にも辛さや葛藤などを語れず、また聴いてくれる人が存在しなかったら、支援が行き詰まり、職を辞しているかもしれない。つい、解決することが最大の目的だと認識され、それが社会的価値のように捉えられる場合があるが、合理性の理解こそがまずやるべきことであり、そのようなことを面倒に思わず寛容に受け入れてくれる価値変容こそが、「共にケアし関わり合う社会」なんだろうと思った次第である。

今回は、福祉的課題を抱える社会構造と他者の合理性の理解をつなげて考えてみました。こういう構造的な理解を念頭に、自分たちの実践現場ではどのような問題が潜んでいるか、改めて考える、または眺めてみると、そこから展開される実践が浮かんがくるように思えます。

そのためには一人で考え込まず、「対話」が大切になってくるのではないでしょうか。そこで実践現場でも、支援者としての内面のエンパワメントとしても寄与する「Social Good Circle」は、良い効果を生み出すと思います。興味がある方は、お気軽にご参加ください。申し込みはPeatixより受け付けております。

Social Good Circle 開催詳細

Social Good Circleには多くの方が参加しやすいように、オンライン開催としています。仕事から帰ってきてひと段落した時間帯にすることで、ゆったりと語り合えるようにしています。以下、開催詳細をご覧ください。

開催日

  • 2026年1月29日(木)20:00〜21:30

参加方法

  • オンライン(zoom使用)

    申し込み後にPeatixより、招待メッセージが送られてきます。

参加費

  • 無料

申込方法

下記Peatixページから申し込むページへ移動します。
必要項目を入力していただき、送信後、開催に関するメールがPeatixより届きます。

申し込み後、zoomのURLや招待状が届きます。入力されるメールアドレスが間違っていると、返信メールが届かない場合がありますのでお気をつけください。返信メールが届かない場合は、お問い合わせよりご連絡くださいませ。

申込手順

STEP
チケット選択画面より、チケット枚数を選択する
枚数を選択したら「次に進む」をクリック
STEP
「主催者からの事前アンケート」入力後、「確認画面へ進む」をクリック
STEP
入力内容を確認後、「チケットを申し込む」をクリック
その後、下記の画面が表示されると手続き完了
STEP
申し込みで入力したメールアドレスに、Peatixからイベント参加のメールが届く
当日は「イベント視聴ページに移動」からzoomへ入室する

メールが届かない際は、迷惑メールフォルダに送信されている場合があります。それでも届いてない場合は、socialgoodcircle2022@gmail.comへご連絡ください。

Social Good Circleとは

Social Good Circleは「支援者のモヤモヤをダイアローグする場」としています。よって、参加者同士の上下関係もなく、全てがフラットです。日々の実践や人間関係など、モヤモヤしていることを語っていただき、聞く側は助言も否定もせず、ただただ訊くことに徹します。

もちろん訊いた後に、自らのモヤモヤを語っていただくことも大歓迎です。「今更こんなことは職場で話せない」や「誰か私のモヤモヤを訊いてほしい」など、Social Good Circleにおいては気楽に語っていただける空間になっています。

参考記事

Social Good Circleが誕生した背景や、Social Good Circleの詳しい説明は下記の記事をご覧ください。

【ご提案】職場でSocial Good Circle開催のお手伝い

Social Good Circleは「否定せず、助言せず、解決もしない」語らいの場として開催しています。このコンセプトは一見すると、対人援助の場面では否定的な意見を浴びるかもしれません。

なぜなら「モヤモヤ=困っていること」と捉えることで、「職員が困っていることを、上司及び同僚同士で解決しなければならない」との思考に対して、真逆の発想でSocial Good Circleを開催しているからです。

僕は決して、「解決しなければならない」とする思考や行動を否定したいわけではありません。必要に応じて解決を優先する場合もあると理解しています。

しかし解決を優先するがあまり、モヤモヤを抱えている職員が本当に困っていることを語れるかは疑問が残るところです。このように考えるには過去の記憶が起因しています。

僕は約6年間、病院のソーシャルワーカーとして働いていました。普段の業務とは別に個々のスキル向上やいわゆる「困難事例」に対する次の一手を模索するため、定期的に事例検討会をソーシャルワーカー同士で開催していました。

いま振り返ると事例検討会は、ギリシャのコロッセオを彷彿とさせる思いで参加していたように思えます。

要するに「戦いに挑む」という表現がわかりやすいでしょうか。雰囲気も戦々恐々としており、ミスを説明しようもんなら鬼の首を取ったような勢いで「なぜそうしたのか?」と問い詰められる。

最初は初任者として「学ばせていただく」という気持ちで挑んでいましたが、やがて心身ともに疲弊していく自分を自覚しました。心の余裕がなくなるので、ちょっとした指摘も癇に障りますし、自らも「指摘返し」のような、一種の報復に似たような振る舞いをしていたときもありました。

このような状態になると事例検討会ではなく、ただの「足の引っ張りあい」です。その場では本音を誰も話さなくなっていました。恐怖と保身でしかないからです。

そんな過去を振り返って思うことがあります。

心理的安全性が担保された空間でなければ、人は自らのモヤモヤを決して語りはしない

自らが悩んでいること、困っていること、こんなことを話して大丈夫?と思っていることも、否定されないとわかっていると人は安全性を感じるとることができ、スーと話し始めます。

「どうしたの?」「それで?」と急く必要はありません。Social Good Circleは「否定せず、助言せず」をモットーに開催しています。最初から参加者へ伝えることで、参加者同士の「ここは安全だ」という雰囲気が醸成されます。

Social Good Circleでは、実に多様性豊かなモヤモヤを訊くことができます。そしてモヤモヤの深堀りは、ソーシャルワーカーのアイデンティティを取り戻すことにもつながります。

事例検討会のように追求型のスーパービジョンは、支援者が育たないどころかパワーレスに陥り、終いには退職することも考えられます。

そうではなく、じっくりとその人のモヤモヤした語りを訊き、参加者同士でフィードバックすることで、モヤモヤを語った人は「私の話を訊いてくれた」「受け入れてくれた」とカタルシスを得ることになります。

普段、支援者として支援対象者の話を聞くことには慣れていますが、自分の話を訊いてもらうことには慣れていない支援者が多いのが現状です。

Social Good Circleはこのような「支援者の語りを訊く」ことを実践することで、先にも述べたとおり、ソーシャルワーカーのアイデンティティを取り戻す(エンパワーメントの促進)へつながります。

とはいえ、Social Good Circleを職場でやろうとすると、導入・進行・まとめといった一連の流れを、誰がどのようにするのか悩むことが考えられます。悩むうちにズルズルと流れていくことはよくある話です。そこでご提案です。

職場でSocial Good Circleが定着するまで、もしくは体験として実施する、お手伝いをさせていただきます

Social Good Circleを実際に運営している者が、ファシリテーターや運営面をサポートすることで、簡単にSocial Good Circleを職場で開催することができます。

もちろん職場の目的や規模等に応じて、運営側が関わる濃淡を調整することも可能です。まずは下記の「お問い合わせフォーム」より、ご相談いただければと思います。

お問い合わせ確認後、運営側よりご連絡させていただきます。

この「Social Good Circle」が支援者のエンパワーメントにつながること、そして多くの支援者が自分語りをすることで、一人で抱え込まなずパワーレスに陥らない環境を構築できることを願っています。

長くなりましたが、ご興味がありましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。

応援してもらえると嬉しいです!

この記事を書いた人

平畑隆寛のアバター 平畑隆寛 ヒラハタタカヒロ

社会福祉士事務所 FLAT代表。アパレルバイヤーから社会福祉士へジョブチェンジした風来坊を自認。普段は成年後見受任や研修講師のほか、Webライターとしても活動している。月1回開催の、相談援助職が安心してモヤモヤを語れる場「Social Good Circle」を運営し、支援者のバーンアウト予防にも取り組む。「The Salon Times」では、記者+ライター+編集長の役割。

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