9月「Social Good Circle」開催のお知らせ

記事を読まれる前に「Social Good Circle」の申し込みをされたい方は、下記ボタンよりお願いします。


こんにちは。Social Good Circleの共同運営者をしている平畑です。

8月末のノロノロ台風通過後、朝晩がやや過ごしやすくなったと思いきや、まだまだ残暑が厳しい日が続いています。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

寒暖差が大きくなるこの季節は、体調を崩しやすい時期とも言われています。自律神経の乱れから起こるものらしいです。「秋バテ」とも耳にします。なんとなく身体がだるかったり、食欲がわかなかったりすると、精神的にも落ち込みやすくなります。そのようなときは無理をせず、思い切って休息を取ることも必要かと思います。

仕事を休んでもよし、休日に好きなことをして過ごすのもよし、好きな人と外出するのもよし。まずはご自身を労ることが大切だと思います。そして何より、内側に塞ぎ込むのではなく、外側へ顔を向けたり話したりすることで、気分は上向きになることが多いようです。

人は人との関係性の中で生きており、その関係性からさまざまな感情を抱きます。人間関係は、自分の成長につながる場合もあれば、マイナスの影響をもらたす場合もあります。しかし、人間関係でつらい経験をした時、生きる意欲を取り戻していけるのも人間関係によってです。人間関係で傷ついた心は、人間関係の中でこそ癒すことができるものです。

最近読んだ本で、菱沼幹男の「コミュニティソーシャルワーク」から引用しました。コミュニティソーシャルワークの価値原則(基本とすべき大事な考え方)の一つとして菱沼氏は挙げていますが、普段の生活でも大いに該当する文章だと感じます。

体調が優れないとき、人とのコミュニケーションが煩わしくなったり、些細な言葉で傷ついたりすることがあります。体調が優れないのは自律神経の乱れが出発点であり、自立神経の乱れは寒暖差の大きさが出発点になる。原因は人と関係ないところかもしれませんが、感情の乱れやもつれが起こるのは、やはり人との関係性の中で起こるのだと、菱沼氏の文章を読んで感じたところです。

そして、乱れた感情や傷ついた心は、これまた人との関係性の中で修復したり癒したりする必要があります。その一つの方法として、「対話」が存在するのではないでしょうか。辛い経験だけに限らず嬉しいこと楽しいことも含めて人と語り合うことで、訊く側は脳内で擬似体験を繰り広げます。それは良い悪いをジャッジすることではなく、ただただ語る側の話を訊く。

語る側は語り、訊く側は最後まで訊くことで、良好な関係性が構築できるのではないかと、僕は考えています。そう考える理由の一つに「人は話を最後まで訊いてもらうことで、幸福感を感じるのではないか」という仮説を抱いているからです。それは「話を訊いてくれた」という、一種の承認欲求を満たすことが根底にあると思っています。

とはいえ職場環境では、じっくり同僚や部下の話を訊くことは限りなく短いのではないでしょうか。僕は「結論から言って!」と、何回も叱られたときがあります。時間的制約がある環境下では、短い時間で効率よく何らかの成果を上げなければなりません。人の話をじっくり訊くということは、目に見える生産性の向上が図れないと断定され、非効率な分類になるわけです。しかしそのような考え方では人の心は荒み、職場内のコミュニケーションは崩壊の一途を辿ってしまいます。

「自分たち各々が持ち味を持ち寄って、すでにこんなふうにあんなふうに、どうにかやってきたよね」ということを吐き出してもらい、耳を傾け、承認し合う=行為を理解し合う、ということです。これが、個人の能力から他者との「関係性」にフォーカスしていく際に、地味で、一見ばかばかしく、また放歌的にも思えることなのですが、根源的に必要になる営みです。(中略)他者と働くとは、「他者の合理性」を承認し合うために、吐露できる場があってはじめて為せるのです。

上記は、勅使河原真衣の「働くということ「能力主義」を超えて」から引用しました。僕は語り合うことで、「他者の合理性」をはじめて理解できると思っています。そのような中、勅使河原氏の文章は、職場内での対話の重要性を提言していると言えます。できる・できないの二項対立構図ではなく、話を訊いて「承認し合う」という人を思いやることが、職場内での人間関係を良好にしていくためには必要なことだと思います。それは、支援を必要としている人に向けても派生します。

ソーシャルワーカーは人の話を訊くことを、専門的に業務として実行できる職種です。それは単に話を聞くことではなく、相槌を打ったり感じたことを伝えたりすることで、支援を必要としている人の気持ちを解きほぐすことにもつながります。そのためには、まず職場内のコミュニケーションが良好に保てていることが必要だと考えます。

職場内のコミュニケーションが円滑に進むと、否定や抑え込むような助言といった審判的な態度が緩和されると思います。それは、「こんなこと言ったら怒られるかな、バカにされるかな」という、不安や恐れの解消へとつながり、心理的安全性が担保された意見交換が繰り広げられるのでないかと想像しています。

そのような職場内の良質な作用が高まることで、支援を必要とする人たちへの「支援の質」も高まることが期待されます。コミュニケーションの不良は、職員の心身に不利益をもたらすことばかりか、支援を必要としている人たちにも不利益を被るという、負の連鎖が生じるわけです。

「対話」は職場内だけではなく、支援を必要としている人たち向けても良い作用を発揮します。その原点は、私たちソーシャルワーカーの「承認し合う」という自己肯定感の高まりが出発点のような気がします。Social Good Circleは、そのような「対話」を実体験できる場所です。自らのモヤモヤを語り、参加者からは否定も助言もされません。それは一方的に話すのではなく、参加者からは語りの中から感じたことをフィードバックしてもらえます。そのような語りの往復を繰り返すことで、「一人じゃない」「同じような悩みがあるんだ」といった、承認し合う作用が形成されます。

そんなSocial Good Circleに参加してみませんか。興味がある方は、お気軽にお申し込みください。

Social Good Circle 開催詳細

Social Good Circleには多くの方が参加しやすいように、オンライン開催としています。仕事から帰ってきてひと段落した時間帯にすることで、ゆったりと語り合えるようにしています。以下、開催詳細をご覧ください。

開催日

  • 2024年9月20日(金)20:00〜21:30

参加方法

  • オンライン(zoom使用)

    申し込み後に招待URLを送らせていただきます。

参加費

  • 無料

    気軽に参加できるよう参加費はいただいておりませんが、今後対面で開催することも検討しています。
    その際は参加費を頂戴する場合がありますのでご容赦ください。

申込方法

下記の「申し込みフォーム」と書かれているボタンをクリックすると、申し込むフォームへ移動します。
必要項目を入力していただき、送信後、開催に関するメールが届きます。

申し込み後、zoomのURLや招待状が届きます。入力されるメールアドレスが間違っていると、返信メールが届かない場合がありますのでお気をつけください。返信メールが届かない場合は、お問い合わせよりご連絡くださいませ。

申込手順

STEP
申し込みフォームを入力
STEP
申し込み後、zoomのURLや招待状が届く
STEP
当日、zoomのURLから入室

まずは申し込みフォームの入力をお願いします。ご不明な点があれば、お問い合わせからご連絡ください。

Social Good Circleとは

Social Good Circleは「支援者のモヤモヤをダイアローグする場」としています。よって、参加者同士の上下関係もなく、全てがフラットです。日々の実践や人間関係など、モヤモヤしていることを語っていただき、聞く側は助言も否定もせず、ただただ訊くことに徹します。

もちろん訊いた後に、自らのモヤモヤを語っていただくことも大歓迎です。「今更こんなことは職場で話せない」や「誰か私のモヤモヤを訊いてほしい」など、Social Good Circleにおいては気楽に語っていただける空間になっています。

参考記事

Social Good Circleが誕生した背景や、Social Good Circleの詳しい説明は下記の記事をご覧ください。

【ご提案】職場でSocial Good Circle開催のお手伝い

Social Good Circleは「否定せず、助言せず、解決もしない」語らいの場として開催しています。このコンセプトは一見すると、対人援助の場面では否定的な意見を浴びるかもしれません。なぜなら「モヤモヤ=困っていること」と捉えることで、「職員が困っていることを、上司及び同僚同士で解決しなければならない」との思考に対して、真逆の発想でSocial Good Circleを開催しているからです。

僕は決して、「解決しなければならない」とする思考や行動を否定したいわけではありません。必要に応じて解決を優先する場合もあると理解しています。しかし解決を優先するがあまり、モヤモヤを抱えている職員が本当に困っていることを語れるかは疑問が残るところです。このように考えるには過去の記憶が起因しています。

僕は約6年間、病院のソーシャルワーカーとして働いていました。普段の業務とは別に個々のスキル向上やいわゆる「困難事例」に対する次の一手を模索するため、定期的に事例検討会をソーシャルワーカー同士で開催していました。いま振り返ると事例検討会は、ギリシャのコロッセオを彷彿とさせる思いで参加していたように思えます。要するに「戦いに挑む」という表現がわかりやすいでしょうか。雰囲気も戦々恐々としており、ミスを説明しようもんなら鬼の首を取ったような勢いで「なぜそうしたのか?」と問い詰められる。最初は初任者として「学ばせていただく」という気持ちで挑んでいましたが、やがて心身ともに疲弊していく自分を自覚しました。心の余裕がなくなるので、ちょっとした指摘も癇に障りますし、自らも「指摘返し」のような、一種の報復に似たような振る舞いをしていたときもありました。このような状態になると事例検討会ではなく、ただの「足の引っ張りあい」です。その場では本音を誰も話さなくなっていました。恐怖と保身でしかないからです。

そんな過去を振り返って思うことがあります。

心理的安全性が担保された空間でなければ、人は自らのモヤモヤを決して語りはしない

自らが悩んでいること、困っていること、こんなことを話して大丈夫?と思っていることも、否定されないとわかっていると人は安全性を感じるとることができ、スーと話し始めます。「どうしたの?」「それで?」と急く必要はありません。Social Good Circleは「否定せず、助言せず」をモットーに開催しています。最初から参加者へ伝えることで、参加者同士の「ここは安全だ」という雰囲気が醸成されます。

Social Good Circleでは、実に多様性豊かなモヤモヤを訊くことができます。そしてモヤモヤの深堀りは、ソーシャルワーカーのアイデンティティを取り戻すことにもつながります。事例検討会のように追求型のスーパービジョンは、支援者が育たないどころかパワーレスに陥り、終いには退職することも考えられます。そうではなく、じっくりとその人のモヤモヤした語りを訊き、参加者同士でフィードバックすることで、モヤモヤを語った人は「私の話を訊いてくれた」「受け入れてくれた」とカタルシスを得ることになります。普段、支援者として支援対象者の話を聞くことには慣れていますが、自分の話を訊いてもらうことには慣れていない支援者が多いのが現状です。Social Good Circleはこのような「支援者の語りを訊く」ことを実践することで、先にも述べたとおり、ソーシャルワーカーのアイデンティティを取り戻す(エンパワーメントの促進)へつながります。

とはいえ、Social Good Circleを職場でやろうとすると、導入・進行・まとめといった一連の流れを、誰がどのようにするのか悩むことが考えられます。悩むうちにズルズルと流れていくことはよくある話です。そこでご提案です。

職場でSocial Good Circleが定着するまで、もしくは体験として実施する、お手伝いをさせていただきます

Social Good Circleを実際に運営している者が、ファシリテーターや運営面をサポートすることで、簡単にSocial Good Circleを職場で開催することができます。もちろん職場の目的や規模等に応じて、運営側が関わる濃淡を調整することも可能です。まずは下記の「お問い合わせフォーム」より、ご相談いただければと思います。

お問い合わせ確認後、運営側よりご連絡させていただきます。この「Social Good Circle」が支援者のエンパワーメントにつながること、そして多くの支援者が自分語りをすることで、一人で抱え込まなずパワーレスに陥らない環境を構築できることを願っています。長くなりましたが、ご興味がありましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。

応援してもらえると嬉しいです!

この記事を書いた人

平畑隆寛のアバター 平畑隆寛 ヒラハタタカヒロ

社会福祉士事務所 FLAT代表。アパレルバイヤーから社会福祉士へジョブチェンジした風来坊を自認。普段は成年後見受任や研修講師のほか、Webライターとしても活動している。月1回開催の、相談援助職が安心してモヤモヤを語れる場「Social Good Circle」を運営し、支援者のバーンアウト予防にも取り組む。「The Salon Times」では、記者+ライター+編集長の役割。

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