【Social Good Circle:案内】──「あれでよかったのだろうか」から始まる対話の場

こんにちは。Social Good Circleの共同運営者をしている平畑です。

Social Good Circleでは、毎回あらかじめテーマを決めているわけではなく、その日に集まった人が、日々の実践やプライベートのなかで感じている「モヤモヤ」を持ち寄り、そこから対話が始まります。

前回も、何気ない近況報告から始まりました。

しかし、話していくうちに、実習指導、職場での人間関係、支援することの難しさ、そして「自分は相手をどのように見ているのだろう」という問いへと、話題が少しずつ広がっていきました。前回のSocial Good Circleで、僕が感じた対話の様子を書き記したいと思います。

そして、読んだあと、Social Good Circleに少しでも興味を持ち「参加したい」と思った際は、貼り付けいるPeatixから申し込みをお願いします。皆さんのご参加を心よりお待ちしています。

先に申し込みをされたい方は、下記のページよりお願いします。

「本当にあれでよかったのだろうか」

最初に話題になったのは、ソーシャルワーク実習からでした。

実習指導をしていると、さまざまな学生と出会います。なかには、実習という環境にうまく適応することが難しかったり、周囲がどのように関わればよいのか迷ったりする学生もいます。

僕自身、以前、実習指導者として関わった学生のことを話しました。実習を続けることに難しさが見え、大学側とも情報を共有した結果、その学生は実習を中断することになりました。

当時は必要な対応だったのかもしれません。それでも、何年経っても、「あれでよかったのだろうか」というモヤモヤが残っています。

もし違う関わり方をしていたら。
もし、もう少し本人の話を聴いていたら。
もし、実習を続ける方法を一緒に考えていたら。

もちろん、今になって答えを出すことはできません。だからこそ、この「答えの出ないモヤモヤ」をそのまま話してみました。すると、参加者からも、過去に実習を中断した学生のことが今でも気になっているという話や、職場でうまく仕事を覚えられない人とどのように関わればよいのか悩んだ経験などが語られていきました。

誰か一人の経験だったはずの話が、少しずつ、それぞれの経験とつながっていきます。

「できない人」を見ていた自分

対話を続けているなかで、僕自身、以前の職場での経験を思い出しました。

仕事をなかなか覚えられない人に対して、

「どうして覚えられないんだろう」
「せっかく入ってきたのに」

そんなふうに思っていた時期がありました。今思えばとても自己中心的な思考に陥っていました。そして、僕はその人を「仕事ができるか」「組織に適応できるか」という効率性や生産性の側から見ていたのかもしれません。

この場で語った内容は、正直、以前の僕ならこのような「自分の弱さ」をさらけ出すことはしなかったと思います。「引かれたらどうしよう」「否定されたらどうしよう」と思ったら、なかなか言い出せない。しかし、Social Good Circle誰も否定しません。無理に共感もしませんが、理解はしてもらえ、感じたことをフィードバックしてもらえます。

そのように参加者の語りに耳を傾けていると、当時の角ばった思考が丸みを帯び、広がっていく感覚があります。

その人が何に困っていたのか。
どのようなことが得意だったのか。
どんな環境であれば力を発揮できたのか。
そして何より、本人が何を感じていたのか。
そこまで話を聴いていただろうか。

そんな問いが自分のなかに浮かんできました。

そもそも、支援者として「本人の声を聴くことが大切」と言いながら、職場の同僚や実習生に対しては、「できる/できない」「適応できる/できない」という物差しで見てしまう。そこには、自分でも気づいていない「当たり前」があるのかもしれません。

「苦手な人」の向こう側を見る

話題はさらに、支援のなかで出会う「苦手だと感じる人」へと広がっていきました。

強い口調で話す人。
こちらの説明に納得してくれない人。
何を話しても否定されているように感じる人。

支援者も人間ですから、当然、苦手意識を持つことがあります。そして、一度「この人は苦手だ」と感じると、その感覚を持ったまま相手と関わってしまうこともあります。

しかし、対話のなかで一つの問いが出てきました。

「その人は、これまでどんな生活をしてきたのだろう」
「どんな人生を歩んできたのだろう」

目の前にある言動だけを見ると、「困った人」「関わりにくい人」と感じるかもしれません。けれど、その言動が長い生活のなかで身についたものだとしたら。その人自身も、人との関係がうまくいかず、何度も傷ついたり、孤立したりしてきたのだとしたら。

そのように、自分の「当たり前」や「価値観」を変容することで、見えてくるものは少し変わっていきます。

それは、他者の行動を肯定するということではありません。支援者がすべてを受け入れなければならないということでもありません。ただ、「困った人」として目の前の言動だけを見るのではなく、その向こう側にいる一人の人間の生活や人生に想像を向けてみる。それだけでも、相手との関係のつくり方は少し変わるのかもしれません。

対話によって「相手」ではなく「自分」が変わる

この日の対話で、とても印象に残った場面がありました。ある参加者が、支援のなかで出会った人との関係について話していました。

当初は、「なぜこんなことを言われなければならないのだろう」という怒りやモヤモヤが大きかったそうです。しかし、みんなで話をしていくなかで、その人の背景や、その言動の奥にあるものについてさまざまな見方が出てきました。最後には、「そうか、そういうこともあるのか」と、少し視点が広がったことを話してくださいました。もちろん、その場で問題が解決したわけではありません。相手が変わったわけでもありません。

それでも、その人を見る「自分の見方」が少し変わっただけ。僕は、ここにSocial Good Circleの大切な意味があるように思っています。

ソーシャルワーカーとしての「変容」とは

ソーシャルワーカーは、支援対象者の「変化」を考えることが多い仕事です。

どうすれば生活がよくなるのか。
どうすれば本人が一歩踏み出せるのか。
どのような支援をすれば状況が変わるのか。

しかし、変わる必要があるのは、本当に対象者だけなのでしょうか。

自分が対象者をどのように見ているのか。自分が「普通」「正しい」「こうあるべき」と考えているものは何なのか。そして、その物差し、枠組みの中だけで対象者を見ていないだろうか。

対話のなかで参加者の経験を聴くと、自分一人では気づかなかった見方に出会います。

「ああ、そんな見方もあるのか」

その瞬間、自分がこれまで当然だと思っていたものが少し揺らぎます。Social Good Circleで起きている「変容」とは、何か大きな答えを得ることではなく、こうした小さな揺らぎなのかもしれません。

個別のモヤモヤから、少しだけ視点を広げる

前回の最後に、参加者の一人がSocial Good Circleについて印象的なことを話していただきました。ここで語られるのは、それぞれの職場や実践のなかで生まれた、とても個別的なモヤモヤです。けれど、誰かの話を聴きながら少し視点を広げてみると、「自分にも似たようなことがある」と気づくことがあります。

職種も違う。職場も違う。経験も違う。それでも、モヤモヤの奥にあるものには、どこか重なる部分があります。だからこそ、誰かの話を聴くことが、自分自身の実践を振り返ることにもなるのではないでしょうか。

そして、自分の経験を語ることが、思いがけず誰かの実践を考えるきっかけになることもあります。Social Good Circleでは、誰かが先生になるわけでも、誰かが正解を示すわけでもありません。それぞれが自分の経験を持ち寄り、他者の言葉に耳を傾ける。そのなかで、自分の見方が少しだけ変わっていく。そんな時間を、これからも大切にしたいと思っています。

次回のSocial Good Circleは、2026年10月23日に開催します。Social Good Circleは、「支援者のモヤモヤをダイアローグする場」です。

日々の実践で感じていること。
職場で誰にも話せずにいること。
「これでよかったのかな」と今でも引っかかっていること。

きれいに整理して話す必要はありません。そして、ここでは誰かの話に対して、すぐに助言したり、正解を示したりすることも求めません。話したい人が話し、聴きたい人が聴く。誰かの話から、自分自身のことを考えてみる。

そんな時間をご一緒できればと思っています。

Social Good Circle 開催詳細

Social Good Circleには多くの方が参加しやすいように、オンライン開催としています。仕事から帰ってきてひと段落した時間帯にすることで、ゆったりと語り合えるようにしています。以下、開催詳細をご覧ください。

開催日

  • 2026年10月23日(金)20:00〜21:30

参加方法

  • オンライン(zoom使用)

    申し込み後にPeatixより、招待メッセージが送られてきます。

参加費

  • 無料

申込方法

下記Peatixページから申し込むページへ移動します。
必要項目を入力していただき、送信後、開催に関するメールがPeatixより届きます。
(Peatixでの申し込みが難しい方は、当ホームページの「お問い合わせ」からご連絡ください)

申し込み後、zoomのURLや招待状が届きます。入力されるメールアドレスが間違っていると、返信メールが届かない場合がありますのでお気をつけください。返信メールが届かない場合は、お問い合わせよりご連絡くださいませ。

申込手順

STEP
チケット選択画面より、チケット枚数を選択する
枚数を選択したら「次に進む」をクリック
STEP
「主催者からの事前アンケート」入力後、「確認画面へ進む」をクリック

STEP
入力内容を確認後、「チケットを申し込む」をクリック
その後、下記の画面が表示されると手続き完了
STEP
申し込みで入力したメールアドレスに、Peatixからイベント参加のメールが届く
当日は「イベント視聴ページに移動」からzoomへ入室する

メールが届かない際は、迷惑メールフォルダに送信されている場合があります。それでも届いてない場合は、socialgoodcircle2022@gmail.comへご連絡ください。

Social Good Circleとは

Social Good Circleは「支援者のモヤモヤをダイアローグする場」としています。よって、参加者同士の上下関係もなく、全てがフラットです。日々の実践や人間関係など、モヤモヤしていることを語っていただき、聞く側は助言も否定もせず、ただただ訊くことに徹します。

もちろん訊いた後に、自らのモヤモヤを語っていただくことも大歓迎です。「今更こんなことは職場で話せない」や「誰か私のモヤモヤを訊いてほしい」など、Social Good Circleにおいては気楽に語っていただける空間になっています。

参考記事

Social Good Circleが誕生した背景や、Social Good Circleの詳しい説明は下記の記事をご覧ください。

【ご提案】職場でSocial Good Circle開催のお手伝い

Social Good Circleは「否定せず、助言せず、解決もしない」語らいの場として開催しています。このコンセプトは一見すると、対人援助の場面では否定的な意見を浴びるかもしれません。

なぜなら「モヤモヤ=困っていること」と捉えることで、「職員が困っていることを、上司及び同僚同士で解決しなければならない」との思考に対して、真逆の発想でSocial Good Circleを開催しているからです。

僕は決して、「解決しなければならない」とする思考や行動を否定したいわけではありません。必要に応じて解決を優先する場合もあると理解しています。

しかし解決を優先するがあまり、モヤモヤを抱えている職員が本当に困っていることを語れるかは疑問が残るところです。このように考えるには過去の記憶が起因しています。

僕は約6年間、病院のソーシャルワーカーとして働いていました。普段の業務とは別に個々のスキル向上やいわゆる「困難事例」に対する次の一手を模索するため、定期的に事例検討会をソーシャルワーカー同士で開催していました。

いま振り返ると事例検討会は、ギリシャのコロッセオを彷彿とさせる思いで参加していたように思えます。

要するに「戦いに挑む」という表現がわかりやすいでしょうか。雰囲気も戦々恐々としており、ミスを説明しようもんなら鬼の首を取ったような勢いで「なぜそうしたのか?」と問い詰められる。

最初は初任者として「学ばせていただく」という気持ちで挑んでいましたが、やがて心身ともに疲弊していく自分を自覚しました。心の余裕がなくなるので、ちょっとした指摘も癇に障りますし、自らも「指摘返し」のような、一種の報復に似たような振る舞いをしていたときもありました。

このような状態になると事例検討会ではなく、ただの「足の引っ張りあい」です。その場では本音を誰も話さなくなっていました。恐怖と保身でしかないからです。

そんな過去を振り返って思うことがあります。

心理的安全性が担保された空間でなければ、人は自らのモヤモヤを決して語りはしない

自らが悩んでいること、困っていること、こんなことを話して大丈夫?と思っていることも、否定されないとわかっていると人は安全性を感じるとることができ、スーと話し始めます。

「どうしたの?」「それで?」と急く必要はありません。Social Good Circleは「否定せず、助言せず」をモットーに開催しています。最初から参加者へ伝えることで、参加者同士の「ここは安全だ」という雰囲気が醸成されます。

Social Good Circleでは、実に多様性豊かなモヤモヤを訊くことができます。そしてモヤモヤの深堀りは、ソーシャルワーカーのアイデンティティを取り戻すことにもつながります。

事例検討会のように追求型のスーパービジョンは、支援者が育たないどころかパワーレスに陥り、終いには退職することも考えられます。

そうではなく、じっくりとその人のモヤモヤした語りを訊き、参加者同士でフィードバックすることで、モヤモヤを語った人は「私の話を訊いてくれた」「受け入れてくれた」とカタルシスを得ることになります。

普段、支援者として支援対象者の話を聞くことには慣れていますが、自分の話を訊いてもらうことには慣れていない支援者が多いのが現状です。

Social Good Circleはこのような「支援者の語りを訊く」ことを実践することで、先にも述べたとおり、ソーシャルワーカーのアイデンティティを取り戻す(エンパワーメントの促進)へつながります。

とはいえ、Social Good Circleを職場でやろうとすると、導入・進行・まとめといった一連の流れを、誰がどのようにするのか悩むことが考えられます。悩むうちにズルズルと流れていくことはよくある話です。そこでご提案です。

職場でSocial Good Circleが定着するまで、もしくは体験として実施する、お手伝いをさせていただきます

Social Good Circleを実際に運営している者が、ファシリテーターや運営面をサポートすることで、簡単にSocial Good Circleを職場で開催することができます。

もちろん職場の目的や規模等に応じて、運営側が関わる濃淡を調整することも可能です。まずは下記の「お問い合わせフォーム」より、ご相談いただければと思います。

お問い合わせ確認後、運営側よりご連絡させていただきます。

この「Social Good Circle」が支援者のエンパワーメントにつながること、そして多くの支援者が自分語りをすることで、一人で抱え込まなずパワーレスに陥らない環境を構築できることを願っています。

長くなりましたが、ご興味がありましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。

応援してもらえると嬉しいです!

この記事を書いた人

平畑隆寛のアバター 平畑隆寛 ヒラハタタカヒロ

社会福祉士事務所 FLAT代表。アパレルバイヤーから社会福祉士へジョブチェンジした風来坊。普段は成年後見・ケアマネジャー・受刑者支援・まちづくりなどに携わりながら、2026年より兵庫県立大学大学院生で研究に勤しむ。オンラインで支援者が安心してモヤモヤを語れる場「Social Good Circle」を運営し、支援者ケアや専門職の問い直しにも取り組む。

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